キェシロフスキの70年代最初の作品である短編ドキュメンタリー。
工場の会議室で悩ましげに議論する上層部の人々と、肉体労働に従事する労働者たちとを対比させて描いており、上層部の人々の撮り方は後の「ある党員の履歴書」に引き継がれています。
権力や体制への批判的な視点が露骨で、メッセージとしてはあまりに直接的で切れ味が鋭すぎるような気がしてしまいます。
キェシロフスキは後にフィクションへ移行していきますが、検閲という障壁を逃れるためだけでなく、間接的な表現の方が解釈の幅が広まることに気がつくために必要な過程が今作のような初期の短編だったのかもしれません。