自分に寄った感想かもしれないが、現在と地続きの未来、あるいは未来と地続きの現在をどう生きるかという話だと思った。そしてこの映画は、そういった問題に対して「1人で生きる必要はない」と解答している。プロポーズをする時の恩田括の表情が決して嬉々としていない所が良くて、結婚というのは結局「自分とはどうしようもない人間で、1人で生きていく事が出来ない」と認める事とセットになっているんだと思う。生きていく必要に迫られて結婚を選ぶというやり方は、一見誠実と程遠いが、実は真に誠実なことであって、それはとてもロマンチックな事だと思う。