三隅炎雄

次郎長社長と石松社員 威風堂々の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

1.7
監督が渡辺祐介に変わってのシリーズ5作目。シミロンパンティ進藤英太郎は、ハワイのウクレレパンティ榎本健一と組んで海外販路拡大したいのだが、幼馴染榎本とは会えば喧嘩の面倒臭い仲でもあって、契約がままならない。そこで進藤、会社随一のハンサムボーイ中村嘉葎雄に榎本の愛娘三田佳子の陥落を命じ、契約につなげようとする。しかし中村には結婚を約束した恋人の佐久間良子がいた。
会社の歯車として使われる若手サラリーマンのドタバタをペーソスを混じえながら描くが、男尊女卑の思想は一貫しており、女は男の愚かさを自らの罪のように解釈して寂しげな微笑みとともに水に流してしまうし、権力を持つ年寄が自らの過ちをカネで誤魔化し、若者はそれを受け入れて、お家安泰という酷く反動的なまとめ方になっている。気持ちが悪い。
中村の下宿先は当たり前のように花沢徳衛の葬儀屋二階に戻って、飯塚増一の4作目『石松社員は男でござる』はなかったことに。
三隅炎雄

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