mitakosama

キディ・グレイド 劇場版第一部-イグニッション-(覚醒篇)のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.1
ナデシコで一躍有名になった後藤圭二の監督作。テレビシリーズがあり、その総集編3部作の1作目。

因みにキャラデは後藤氏の奥様、門之園恵美。後藤圭二のフェティッシュを引き継ぎながらも更に倒錯的にし、立体的な統合性も高くなった。後藤のシンメトリーのキャラって余り好きじゃなかったが、今作はまだ見れる。
実際、メインキャラの1人リュミエールの倒錯的なデザインは相当突っ切ってると思う。
主人公のエクレールもAIKA並にパンチラを披露するし、2人とも何かあると頬を赤らめてハアハア言う。

もともと判りづらいテレビ版を纏めたとはいえ、決して今作も解りやすくはない。
記憶喪失で目覚めたエクレールは、GOTTなる組織のエージェントとして宇宙を守るために戦うこととなる。GOTTとは銀河通商関税機構の略で経済を守る為の組織ととのことだが、がやってることはダーティペアとさして変わらん。
何より、エクレールの記憶の秘密が物語のキーワードで、主人公の悩みの種だった筈なのだが、なんの疑問もなく組織のエージェントとしてすんなり活動を始める。葛藤とかそういうキャラクターの内面性ををちゃんと描かないのが問題だ。

中盤まではエクレールとリュミエールがエージェントとして活躍する様が描かれる。
最初の活躍だけ描いて、そのほかはBGMをつけてのダイジェストだ。グレンラガンの映画でもやってたけど、こういうダイジェストってやっつけ仕事っぽくて厭だなぁ。しかも今作は2曲フルコーラスで流すぞ!

そして後半は支配階級の地球人に反発する宇宙移民を助けるために、GOTTを裏切ることとなる。
いきなり1作目で所属組織をいきなり造反するという急展開で、今作の物語の複雑さを垣間見るね。

GONZOはデジタルアニメの先駆者だが、今ならもっとデジタルエフェクトを駆使して豪華な絵作りになるだろうな。
mitakosama

mitakosama