茜

人類SOS!の茜のレビュー・感想・評価

人類SOS!(1962年製作の映画)
3.5
多くの名作ホラーに影響を与えた秀作!らしいのですが、私的に本作と言えば筋肉少女帯「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」の元ネタ。
筋少の中でも一二を争うレベルで好きな曲なので元ネタになってる本作は絶対観なきゃと思ってました。

流星の雨がふりそそぐ トリフィドの日がついに来た
二人だけは生き抜く
植物に食らわれた町 あなたと私だけ残る
トリフィドの幹に駆け登り そして星座まで行けるよ

筋少の詞が割とガッツリあらすじそのまんまで笑っちゃいました。
突如地球に降り注いだ流星雨、それを目撃した人間は全員失明してしまう。
それと同時に食肉植物トリフィドが暴走、絶体絶命の状況で失明を逃れた人間とトリフィドの戦いが始まる。

失明しちゃう流星雨ってだけでも十分テーマとして事足りそうなのに、そこに食肉植物までプラスしてくるサービス精神の旺盛さ。
そのうえストーリーも意外と凝っていて、物語は「手術のため目に包帯を巻いており失明を逃れた男」と「一晩中夫婦喧嘩してたお陰で失明を逃れた灯台暮らしの夫婦」という二つの軸で展開される。
まだまだ技術に乏しい時代なので、トリフィドに襲われたり旅客機が落下したり等の凄惨なシーンも現代に観ると迫力に欠け緊迫感はありません。
でも不思議と退屈はしないし最後まで楽しく観れてしまうのは、単純にテーマの面白さもあるし、随所にその時代なりの工夫が垣間見えるからかも。
女優さんの悲鳴がうるさいっていうのは他のレビューでも散々書かれてて、確かに皆が皆神経にピリピリくる金切声をあげるんですけど、これも技術がなかった時代なりに演技で緊迫感を表現するという一つの方法だったりするのではないかと。

ホラー好きだけど知識が浅薄なので、ここが〇〇のオマージュ!?とかよく分からんしさほど興味なし。
私の中では本作を観た事で筋少のトリフィドが更に好きになれた事が一番の収穫で、好きな物と好きな物の繋がりってやはり素晴らしい。
茜