蛇々舞

BLEACHの蛇々舞のレビュー・感想・評価

BLEACH(2018年製作の映画)
4.2
観 て よ か っ た ! ! !

いや、非常に素晴らしかったですね。
何が素晴らしかったかって、主役二人の芝居ですよ!
もう、これだけで、この映画は勝ちです!!

その前に、ダメだったところをツラツラと。

まず、つまみ食い的に登場する原作キャラクターたちが薄い。
雨竜に織姫、チャド……彼らとの関係性は、そこまで掘り下げられず「まぁ出しときました」感。
これは、ちと残念。

そして、そいつらを含めたクラスメート(そう、背景のモブまで全員!)たち、どう見ても高校生じゃねぇ……!!

なんかもう、どいつもこいつもノロクサして全然、弾んでないの!!
若さが無いよ!!
そういうエキストラこそシッカリ芝居して、空気を作ってくんないとさぁ……気になってしょうがないわ!!
なに、みんなテニスの王子さまの世界の高校生なの!?
特に、ことあるごとに「一護が死んだ」と冗談抜かす同級生、テメーおっさん過ぎるんだよ!!!!

そして、隠しきれないコスプレ感。

なんで衣装、汚さないの?
どいつもこいつも下ろし立てみたいにキレイキレイやん。
シワの一つも無いやん。
生活感なさすぎるやん。
そのくせ漫画のビジュアルのままやん……どう見たってコミケ帰りの人やないか!!

まぁ……そんな感じかな。
悪いところは、そりゃもうイロイロありました。
「あぁー……邦画のこういうとこ苦手」みたいなね……解ってもらえると嬉しいです。

しかし……しかし!

逆に、悪かったのなんて、上の緒要素くらいのものサ!!

ホロウのCG、死神同士のソードアクション、全て良し!!
時間自体は短いながら、観たかった立ち回りを存分に堪能させてくれます!!

なによりストーリー。
一護とルキアの邂逅、死神の力の譲渡、死神代行としての戦いの中で、世界観の説明と、最後に戦う敵との因縁を上手いこと繋げて落とし込んである。
正直、二時間の映画として、実に巧みに構築してあるのだ。

その中で描かれるのは、主人公である黒崎一護と、もう一人の主人公、朽木ルキアの〝友情〟である。
断じて〝恋愛〟じゃない──それがキモだ!

もう二時間、それにのみ焦点を絞って、じっくり丹念に描いてある。
他のクラスメートだのクインシーだのは、いわばオマケ。
本筋にはさほど関係ないから、影が薄かろうと一切、気にならないのだ。

二人が出会い、いかにして影響しあい、葛藤して、変化していくのか……

そして、それを福士蒼汰と杉咲花の両名が、本当に上手く表現している。

というか、このコンビが上手くいきすぎている。
基本的にはこの二人の掛け合いを中心に物語が動いていくのだけれど、その息の合い方は、どうだ?
コミカルな場面はコミカルに、シリアスなところはシリアスに。
実に気持ちよくテンポの良いやり取りに引き込まれてしまい、クスクス笑って、手に汗握ってしまうこと請け合いだ。
だからこそ、ラストシーンは感動して、ウルッと来てしまった。
ハッキリ、やられた。
まいりました!!

改めて、主役の二人で勝った映画だ。
これだけで、時間と金を費やす価値がある。
それくらい良かった!

映画は、物語の導入部に過ぎない。

これは、是非とも続編が観たい!

ところが今日も映画館、ぜんぜん人が入ってない!!

だから観て!!!

お願いします!!!!
蛇々舞

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