籠

私は兵器の籠のレビュー・感想・評価

私は兵器(2016年製作の映画)
3.8
2017年101本目 新作日本映画26本目 1,200/87,700

アンゲロプロスを愛する京都の兄ちゃんが突然暴力に目覚めて黒沢監督の言うところの殺伐とした救いようのない作品を世に出した。計算づくでない頭の中から生み出されたものだが、これは暴力がきっかけで無意識にその闇に同化していく長谷部安春・桂千穂ラインの主人公(八城夏子とか)そのものだ。桂さんには観てもらいたいものだ。
昨年の田辺弁慶映画祭上映時には大ブーイングだったらしい。
不覚にも昨年田辺に行けず三間監督には申し訳ないことをした。知識があると自負している多数の人達がこの映画を否定するだけで終わっていたとは…確かに素晴らしい血しぶきにそぐわない色とか残念な処はあるが師匠の黒沢清が喜ぶ暴力には不気味なアクションと不快音が伴っていた。フルート主体の音楽含めたプログラムピクチャーのジャンル回帰をカンジタ。
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