荻昌弘の映画評論

月の出の接吻の荻昌弘の映画評論のネタバレレビュー・内容・結末

月の出の接吻(1947年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

D級 (イヤハヤ流石にこれでは)
 サアサ、御用とお急ぎのない方だけゆっくりと御覧なさい。だァがお立合い、天邪鬼と批評家は御免だよ。未熟な活動渡世は致しても、手前憚りながら天下の芸術家、多年得意と致すはすれ違い逢い損いの大悲劇だ。想い想われ二人の恋、そが成らぬとは何処で決まる、男がグズで女は弱気、ただそれだけのおハナシだ。此の恋を撮りし処は、成城よりチョイト西、伊豆山々の麓にて、いでゆに浸ってロケをする。サアテ、此の恋人をイジめ抜くには、上に親、横に色魔と姦婦を立てて女ニラむ。女は己れの姿に驚きメソメソと涙を流す。その後を男が、ギタアかかえて二四八巻の間、ウローリウロリと追いかけ回したのがこの大メロドラマだヨ。
『映画評論 7(5)』