かじドゥンドゥン

遠い夜明けのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

遠い夜明け(1987年製作の映画)
3.5
1970年代後半の南アフリカ。実話に基づく作品。

白人による弾圧を受ける黒人たちは、解放運動の急先鋒ビコを信奉し、一致団結しつつある。リベラルに属する「良識派」白人の新聞記者ウッズは、人種差別撤廃を支持する一方、ビコに関しては口の達者な扇情家で、不毛な反白人主義を植え付けるだけだと警戒していた。ところが、ビコと直接面会し彼の語りを聞くにつけ、本物の誠実な活動家であると確信し、夫婦共々ビコを支持するようになる。交わされる友情。

公安警察の監視と脅迫をすり抜けながらひたむきに行われたビコの活動も、彼の不当逮捕・拘束と不可解な獄中死によって頓挫する。彼の死が暴力による意図的な殺害だと確信したウッズは、神父になりすまして国境を越え、イギリスに亡命し、真実を記したビコの伝記を出版した。

エンドロールで列挙される、黒人政治犯の公式発表された死因。「自殺」・「転落死」、そして「非公表」が並ぶ。公安警察ぐるみの人種差別と虐殺がまかりとおっていた。