リチャード・アッテンボローと言えば『ジュラシック・パーク』のジョン・ハモンドな世代なので、のちに『ガンジー』の監督であると知って驚いたものです。アッテンボロー作品を漁っていた訳ではないですが、アパルトヘイトについての映画を探していて本作にたどり着きました。
本作が公開されたのは1987年、アパルトヘイト真っ只中。冒頭の写真群やソウェト蜂起の描写、最後のエピローグなど、「今ここで起こっていることを知ってくれ！」と言う切迫感に満ちていました。公開当時、南アフリカの上映劇場が多数爆破されたエピソードもあり、"真っ直中"の緊張感が伝わってきます。
今も何かしら影響は残っていたりするとは思いますが、少なくともワールドカップを開催できる程度には一定の解決に達していると思うと、その確かな歩みに力強さを感じます。
一方で現在、パレスチナ問題では、ユダヤ人によるアパルトヘイトに近い行為が問題視されているとも聞きます。いつか振り返った時、少しでも解決してくれているといいなと思いました。
