このレビューはネタバレを含みます
この重要な出来事、重要な人物のことを見事に映像化している。時系列に沿っているのにだらけずに飽きさせない展開。一切の無駄がない。そして中盤に迎える大きな展開。主人公の交代劇のような。
アパルトヘイトとはなんなのか。
白人もまた黒人を恐れている。
だから暴力で支配する。
特定の人種が優れているなんて考えは殺してしまえ。
黒人差別を訴える人間を白人差別主義者と呼ぶことに驚いた。ものは言いよう。
その言い回しは改められるが。
『小さな村がいくつもあって平和に暮らしていた』
『でも民族間の争いはあっただろ?』
『ではあなたたちの世界大戦は?』
『なぜ自分たちを黒と?
黒よりブラウンだ』
『ではなぜ白人と?白よりピンクだ』
ビコの言葉の一つ一つがグサリと刺さる。
捕まったと思ったら拷問シーンは見せず、横たわる全裸のビコ。
『芝居では?』
『だが芝居では?』
医者の無念が伝わる。
肌の色の違いでどうしてこうも冷徹になれるのだろう。
ラストのテロップの公式発表。
勾留中の自殺者(殺された)の多さにゾッとする。本当の政治犯はどちら?
これは大昔の出来事ではない。
『黒はマイナスのイメージで表される。
闇市(ブラックマーケット)など。』
black is beautiful
黒は美しい。