月下香

遠い夜明けの月下香のネタバレレビュー・内容・結末

遠い夜明け(1987年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

🌙2024.04.29_24-77

原作「遠い夜明け(Cry Freedom)」
アパルトヘイト政策下の時代、最も著名な黒人解放活動家スティーヴ・ビコとデイリー・ディスパッチ紙の白人記者ドナルド・ウッズの実話に基づいた物語。

2時間半超えと長めではあるけど、かなり見応えがある。
ストーリーは大きく分けて前半と後半に分かれている。前半はビコをメインとしたストーリー、後半はウッズ一家の亡命。
冒頭いきなり襲撃のシーンから始まり、ラストも襲撃で終わる。かなり恐ろしいシーンだが、これが実際の出来事と思うと本当に苦しい。

黒人だけでなく、黒人を庇った白人も攻撃対象にされる。家にプレゼントとして送りつけてきたTシャツに毒が染み込んでおり、ウッズの子供たちが怪我を負ってしまうシーン。ここまでするのかと怖くなった。しかも犯人が保安警官というね...あと子供の泣き叫ぶ迫真の演技が凄かった。
そこからの亡命のシーンは緊張で息が詰まる。犬と黒人メイドに何も告げず出ていくのは仕方なかったけど苦しい。その後、犬と黒人メイドは大丈夫だったのだろうか...

ラストはピコも含め、拘置措置中に死亡した反アパルトヘイト活動家たちの名前と没年、発表された死亡理由が流れる。

今まで黒人差別を題材とした映画をいくつか観てきたけど、これはその中でも観て良かったと思える作品。
月下香

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