さまよえる電気ひよこ

アシュラのさまよえる電気ひよこのレビュー・感想・評価

アシュラ(2016年製作の映画)
3.9
クズしか出てこない群像劇。血まみれなのに痛くない、怖くない。むしろおかしい。あまりにもクズしか出てこなくて、感情の置きどころに困るほど。主人公のドギョン(チョン・ウソン)の小者ぶり…しかも賢くねえ…やることなすこと特に上手くは作用しねえ…!!しかも男同士の愛情マウンティング(重い)にも勝ててねぇ…ソンモ(チュジフン)からの思慕というか執着にも似た何かにも全然気づいてねえ、ダメ、ダメすぎる。ダメすぎて、却って突き抜けているパクソンベ市長(ファンジョンミン)のゆるふわ偽装のキレッキレサイコパスぶりに心地よさすら感じてしまう。人が権力に折れてしまう瞬間のどうしようもなさとか傲慢さとか、どうしたってキム検事(クァク・ドウォン)とパクソンベに軍配が上がってしまい、売り文句だったコップばりばりシーンもなんだか軽く見えてしまうのだった…