三四郎

俺もお前もの三四郎のレビュー・感想・評価

俺もお前も(1946年製作の映画)
3.0
聞け万国の労働者!
平凡なサラリーマンコメディの中に、戦後らしい民主主義や共産主義の思想も盛り込んだ映画。当時の東宝故に共産主義色が出ているのだろう。
家族の中でも旧い考え方(親)と新しい考え方(子供)で意見が分かれたりもする。
この映画で最も重要な人物は、長女の山根寿子ではないだろうか。
父親のように旧式な考え方で、常に受け身で、争いごとなどは好まぬが、父親の会社における待遇を知った時、妹がフィアンセの前で恥をかかぬように、また父親のためにも自主的に行動する。そして父親のために悔し涙までも流す。
親世代(戦前)と子供/妹世代(戦後)の真ん中で揺れ動くのが長女の山根寿子であり、彼女が戦後の日本社会を体現しているのではなかろうか。


舞台の練習の筋が『観賞用男性』に似てるな。
三四郎

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