ちろる

ぼくたちのチームのちろるのレビュー・感想・評価

ぼくたちのチーム(2016年製作の映画)
3.8
性的アイデンティティを語ることなんて絶対できない全寮制学校。
ラグビー信仰が厚く、ラグビーやらないやつには人権ない最悪な学校。

ネットは自分だけが人と違うと思っていたが、この学校ではより一層浮いてしまうという事を思い知らされた。

転入生のラグビー選手のコナーとは正反対のぼくは積み上げられたベルリンの壁の隙間から、少しずつコナーに友情を感じ、さいあくだった学園生活に変化が生じる。

国語の教師シェリーと、コナーとネット。
とても居心地の良いぼくたちのチーム。
でも・・・居心地が良かったのはぼくだけか?

人を裏切る時、同時に自分をも裏切る。

他人の声で、自分を語るな!
自分の心の声を聞け!

戦う時は大切な仲間を思い浮かべる。
そしたらぼくたちのチームになって戦えるから。

封建的な寄宿学校の中で戸惑う、LGBTの青年たちの姿だけではなく、新人の国語教師ジェリーを交えたのがとてもよかった。
偏った考えのコーチと対立してくれる、あんな教師がたった一人いてくれるだけでも学校生活は雲泥の差が出てくる。
泣けました。

しかも、短絡的にLGBTロマンスに落とし込まず、思春期の多くの若者たちに突き刺さるメッセージを含めてくれるところも良かった。
清々しい終わり方に自然と笑みが溢れます。
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