茜

Mum & Dad(原題)の茜のレビュー・感想・評価

Mum & Dad(原題)(2008年製作の映画)
3.7
空港で清掃員として働く主人公が同僚のお宅にお邪魔したらば、変態あたおか夫婦に取っ捕まって監禁されちゃう話。

短尺だし、監禁されるまでの導入もスマートだし、中弛みする部分が殆どなくてあっという間に観終わった感じ。
俳優陣も全然知らない人ばかりなんだけど、主人公も変態家族も皆して演技が上手い!
主人公は薬で声が出せなくなっちゃうんだけど、顔の表情やほんの僅かに振り絞る嗚咽とかが凄いリアルだったし、イカれた夫婦や同僚の演技も絶妙にこちらの不快感を煽ってくる。
B級映画ながらも、無駄のないストーリー・テンポの良さ・演技力など、全てが綺麗に纏まっててとても良く出来てると思う。

拷問シーンや生首や臓物なんかも出てきますが、視覚的な過激度は控えめ。
画面が血やモツでいっぱーいなんて事はないですが、そのぶん地味ながらもすっげぇ痛々しくて生々しい描写が多い。
カミソリで背中にアートを描いたり、その傷の上から固そうなスポンジでゴシゴシ洗体したり、バッグに詰め込んだ主人公をハンマーで殴打したり(これまた音がリアルなんよ…)
個人的には、腹の肉をつまんで太っっとい針を突き刺すシーンのインパクトがデカ過ぎて、その後の臓物オナニーとか死体クリスマスパーティーとか割とどうでもよくなるレベル。
余りの痛々しさにちょっと頭クラクラした…私だったらショック死しちゃう…。

春真っ只中だけど、クリスマスホラーの隠れた名作を発見出来てうれぴよ。
茜