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Mum & Dad(原題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

Mum & Dad(原題)(2008年製作の映画)
3.5
「ウチに泊まってかない?」

そう言われてついて行った職場の優しい先輩のパパとママはキチ〇イだった!さっそく監禁されて「お前は今日からファミリーだよ、エンジェル」とか言って「家族」を押し付けられるゲテモノホラー。

監禁した直後にお腹の肉を掴んで串刺しにしたり、背中にナイフで血のアートを描き始めたりする一方で、愛娘のような言葉遣いで優しく主人公レナに話しかけるママの狂いようも相当ヤバいんだけど、何よりもパパのキモさが強烈。

登場していきなりハンマーで頭をドツき、血だらけの白のタンクトップで自分の部屋に戻ったと思ったら、ついさっき殺した人の内蔵でオナニーして主人公とママがいる前でそのまま内蔵に発射とかヤバすぎ。その翌朝には、朝のニュースの代わりにAV見ながら家族みんなで朝食を食べるというハートフルな団欒のシーンを映すという飛ばしっぷりにテンション上がります(笑)

監禁って言っても、あくまでも家族の一員として迎え入れられてるわけなので、鎖に繋がれてるのではなく、家事とか雑用をさせられていて家の中では自由に歩き回れる。そういうところも十分キモイのですが、言うこと聞かない時のお仕置きがまたキモイしエグい。旅行用のバッグに閉じ込められて、ハンマーで殴打されたり、殺したオッサンの生首とキスさせられたり…半端ないっすね。

世間からズレ過ぎた狂った常識が支配する家族なんだけど、この家では家族が全てだと言い切るだけあって、そのズレた常識のもとでもそれなりに平穏な秩序が保たれてる。関白気味なパパと表面上は優しいママ。そして子どもの兄妹。でもやっぱり崩壊の火種は水面下で燻っていて、主人公を家に招待した職場の先輩とその兄も主人公同様に誘拐されてきた余所の子なんです。この家族の中での居場所が新しく来た主人公に取られるのではないかという不安から色々と思惑が渦巻いて行く。

血がしたたる死体を飾り付けに使ったクライマックスのクリスマスパーティのイカれ具合は最高なので必見。腹をくり抜いてキャンドルにするって発想がヤバい。ゲテモノ好きの方は是非どうぞ。
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