とうがらし

頭のない女のとうがらしのレビュー・感想・評価

頭のない女(2008年製作の映画)
3.2
無邪気に走り回る少年たち。
わき見運転する婦人は、急ブレーキ。
しばし茫然するも再び発車。
路上に倒れた何か。

何も知らない周囲の人々は、呑気にあれこれ話をしている。
婦人は、どこか上の空。
人を轢いたと告白し、夫と一緒に、現場に戻っても、轢いたそれらしきものは見当たらず。
犬を轢いたんじゃないかと慰められる。
しかし、どこまで行っても罪悪感はぬぐえない。

無言の婦人を執拗に映し続けるカメラワーク。
何も意識せずに乱雑に放置されているようで、実は計算されたカメラポジション。
多くを語らないために、彼女の心理をじっくり観察できる面白さがある。

アルゼンチン人のルクレシア・マルテル監督作品。
2008年カンヌ国際映画祭 コンペティション部門出品
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