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君の名前で僕を呼んでのYYamadaのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.5
【恋愛映画のススメ】
君の名前で僕を呼んで (2017)

◆映画のジャンル:
 青春ドラマ
◆ロケーション:
 北イタリア
◆パートナー(カッコ内は公開時年齢)
 ♂️: アーミー・ハマー (31)
 ♂️: ティモシー・シャラメ (21)

〈見処〉
①何一つ忘れない、ひと夏の恋の思い
・『君の名前で僕を呼んで』は、2017年に公開されたイタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合作の青春映画。
・本作の舞台は、1983年夏の北イタリア。家族に連れられて避暑地にやって来た17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。一緒に泳いだり、自転車で街を散策したり、本を読んだり音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオはオリヴァーに特別な思いを抱くようになっていく。
・ふたりはやがて激しい恋に落ちるが、夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてきて…(eiga.comより抜粋)。
・本作は1980年代のイタリアを舞台に、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の情熱的な恋の行方を、美しい風景とともに描いたラブストーリー。第90回アカデミー賞では、作品賞ほか4部門にノミネートされ、ジェームズ・アイボリーがアカデミー史上最年長受賞者(89歳)として、脚色賞を受賞している。

②続編はあるか?
・本作は、アンドレ・アシマンの同名小説を原作としているが、監督のルカ・グァダニーノは「リチャード・リンクレイターの『ビフォア』シリーズのように、年齢を重ねたエリオとオリヴァーの物語を語りたい」とシリーズ化を希望。
・そのため、次作にてエイズ問題に触れられるように、本作の時代設定を原作の1987年から1983年に変更。また、撮影済の幾つかのシーンを続編で使用するため未公開とした。
・グァダニーノ監督は続編の舞台を、ベルルスコーニがイタリア首相を務め、冷戦後の湾岸戦争下にある1990年代を想定しているそうだが、ティモシー・シャラメが世界的な大スターに飛躍した現在において、果たして続編製作は実現されるだろうか?

③結び…本作の見処は?
◎: ティモシー・シャラメの初主演作品。「現在最も美しい俳優」と称される彼の輝きに注目が集まるところであるが、シャラメの複雑な表情を長回しで描写したラストシーンにて、その演技力の高さがはっきりと見てとれる。アカデミー主演男優ノミネートは伊達ではない。
○: 「露骨な性描写がないこと」「17歳の青年エリオの視点で描かれていること」「同性愛が差別対象に非ず、むしろ賞賛されている場面さえあること」から、「禁断の愛」としてではなく「ひと夏の普遍的な愛」として抵抗感なく鑑賞出来る。
○: 絵画のような北イタリアの風景がとにかく美しい。
▲:24歳の大学院生オリヴァーの心理が描かれておらず、『ブロックバックマウンテン』などのLGBT 作品と比較すると、作品に抑揚感が少なく、感情移入し辛く感じる。
▲: 「お互いの名前で呼び合う深層」や「果物と異性をメタファーとして表現」している演出には、自分の理解が追い付かず。

非常に高評価の本作であるが、自分にとっては、恋愛映画としても、青春映画としても、余韻を感じるまでには至らず。
本作の支持層は、女性鑑賞者であろうか?
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