戎

君の名前で僕を呼んでの戎のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
温度、風、匂い、色彩、彼らが生きる世界の全てが現実味をもっていて、今まで見た映画の中でも質感の表現がずば抜けていた。異常。次元をひとつ下げているのに、現実より現実だった。特に序盤で夕食に呼ばれるところがお気に入りで、夏の日没後の静けさと青く染まった部屋、あの時間帯に昼寝から目覚めたときのまるで世界が自分だけを置いてひっくり返ってしまったような感覚、それらがみんな収められていた。一生忘れないシーン。外の風景は私には馴染みのない色が多かったけど、北イタリアの夏はきっとこんな素敵で華やかな色彩に溢れているんだろう。背景描写にリアリティがあるからこそ、ふたりのひと夏の出来事がより鮮明に、夢のように見えた。
ラストは季節が移って冬になっていたけど、今まさに冬だから現実に引き戻された感じが余計強かった。だけどこの終わり方はなんだか優しい。

でも皮肉にもこれを見たことで今自分が恋をしていないことを悟った。とても冷静に外側に立ってストーリーを眺めていたから…誰かのことを強烈に好き!ってときに見たらまた見え方が違ったのかもしれない。何度でも見たくなる映画だった。

やっぱり夏が一番好き そうして夏になったら、また恋をするんだ。
2022/02/10


今回はお父ちゃんの話のところで泣いちゃった。
そろそろ夏が終わりますが、恋、できませんでした……
2022/09/11


映画館に来たので見に行った。何回見ても終わったあとの虚無感が最高に好き
雷雨のシーンでかなりの郷愁に襲われた。地元にいたときは雨ばっかり降って嫌いだと思っていたけど、雷と雨の音を聞くと落ち着く
気になってる香水のテスターをつけに行ったあと見たらなんかすごく合ってた。この香水絶対に手に入れる。
早く夏にならないかな……
2023/02/14
戎