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君の名前で僕を呼んでのkazzoのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.8
「サスペリア」を見てから、ずっと気になりつつ、このルカ・グァダニーノの作品はひょっとしたら、自分にとってドンピシャな作品作る人もかしれないなんて気になりつつ、ず~~~~っと観ようと思いつつ、観ないようにしていた作品。そもそも前情報なんもなく、タイトルとポスターからして「あ、これ絶対ボロ泣きしてしまうやつだ」と思って、そつと遠くから眺めていることにしていたのだけど、公開から早4年。
このGW前半は雨続きで、映画館に行く根性もなくなり、とうとう観念してAmazon Primeでみることに。

くだらない前置きすみません。しょっぱな10分でストーリーは全部読めたのですが、あの圧倒的な映像美と音楽、役者陣もドンピシャ。
ティモシー・シャラメの、あの若さでしか表現できない役どころをうまく引き出してる感じが何よりも関心しました。よくある若い初々しい女優さんを嘗め回すようなカメラワークとは違い(とはいえ、全編半裸率高いw)、表情をとにかく大切にしているのが良かったです。気が付いた方もいるかもしれませんが、全体的にアーミー・ハマーの表情は控えめに撮影していることで、ティモシー・シャラメのはっきり出さないのに、揺れている感情を映し出しているところがすごいなと思いました。

カメラワークも素晴らしかったです。自転車のベルに合わせてのパンニングは個人的に思わず身を乗り出すくらい素敵な演出だと思いました。
エリオが桃と・・・のシーンのカメラアングル、まるで絵画です。素晴らしいですね。

寛大な母と父の姿も素晴らしいかったですね。同性愛を比較的受け入れやすい国柄や環境だったとしても1980年代はまだまだ同性愛は容認されていない時代ですから、親の愛の深さを感じることができます。
サラっと会話の中で母親がエリオの気持ちに触れるシーン、父親との会話、素晴らしいダイアローグ。
全編通じてセリフ、言葉の選び方も素敵でしたね。いいところ突いている!だけど、カチカチの文学という訳でもないところが良かったです。(みんな多言語なのが羨ましかったですね。イタリア語、フランス語、英語、ドイツ語ちゃんぽんでしたね)

案の定、後半は涙腺崩壊。鼻はつまるわ、大変でした。

前半から音楽が気になっていたのですが、あとで確認したらやっぱり坂本龍一でしたw
独特の雰囲気持ってるのですぐ分かりますねw

ラストのラストになるオリヴァーからの電話、暖炉での長回し、涙を見せつつも強くなった彼の姿が印象的でした。

イタリア、フランス、、、ヨーロッパ映画は素敵だ!と感じさせてくれる一本でした。
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