わたあめ

君の名前で僕を呼んでのわたあめのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます


良かった……
今回の二人の関係は壁だらけの苦しいものって感じがした。だからかな?なんかオリヴァーのエリオに対する行動や言葉が少し乱暴に感じた。どうせ実らない関係だって、俺はわかってるんだと言わんばかりの愛し方だった気がした。
以下、歪んだ私の感想。
オリヴァーはエリオのことを愛していて、愛したかった。それでも世の中では自分達の関係はマイノリティであるし、時代的に今よりもっと厳しい。
だから、エリオが生きづらくならないためにも、そして自分のためにもオリヴァーは結婚することにしたのかなって。
でもこれって綺麗な解釈で、やっぱりオリヴァーにとってエリオの存在は花火のような、その時期に、その時だけのものだったのかなという考えも過ぎる。
オリヴァーの愛はエリオには難しかったように感じる。ところどころアプリコットが出てくるところ、エリオがよく食べているところから、冒頭で説明された「尚早」・「早熟」みたいな言葉が思い起こされる。
エリオがメモを扉の下の隙間から差し込んで、それについてのオリヴァーの一言は「大人になれ。真夜中に会おう」だった。なんかなあ〜うわあ〜。

以下は私が特にグサッときた場面。
終盤、エリオ父がエリオに、オリヴァーとエリオの関係がただの友達じゃないって気づいてるよと話す場面。そこで紡がれるエリオ父の言葉は、本当に親から言われたら、そんなこと言うなって思うだろうけど、自分が後悔したからこそ息子にはわかっていてほしいっていう思いが込められていた。
和訳覚えてないので雰囲気だけど
「忘れようとするけど、そうして心は傷付いていく」
「痛みや苦しみを感じて辛いだろうけど、楽しい思い出もあったはず、どうかその気持ちを消そうとしないで」
みたいな。言葉の重みを感じたなあ。

あとはラストシーンからエンドロールに繋がるエリオの表情芝居。流石の顔面というのも勿論あるけど、そんなことよりもエリオの感じている色んな感情を、自分の中のものだと受け止めて、でもすごく辛いけど、大切な唯一無二の時間を過ごせたことへの幸せ(過去のだけど……)とかも垣間見えた。もう涙しか出んよな???

もっかい見たい!
わたあめ

わたあめ