もこもも

君の名前で僕を呼んでのもこもものレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.4
1983年の夏、両親と北イタリアの避暑地で夏を過ごしていたエリオがアメリカから来たオリヴァーと出会って初めての恋を知る...

この作品めっちゃ好き
心地良いピアノの音色で始まるOPから
ずっしりとした余韻が残るEDまで
ずっと心奪われて魅了された
美しい音楽と舞台と時代と映像
複雑な葛藤と純粋で情熱的な恋心、
エリオの眩しく輝く美しさ、
考えさせられる作品の深み、
苦くて切ないのに観終わって感じる透明感
この作品だから感じる魅力が詰まっていた

「知ってほしいから...」

エリオの喜怒哀楽全てに心震える
いろんな感情や考えが混ざった葛藤
素直になっていいのか分からず優しくなれない姿
真っ直ぐで情熱的な恋心
ジェンダーのことだけじゃなくて
青年と少年の違いもしっかり描かれている
ラストは切なくて悲しいけど、
それでも2人が出会えて、
2人がお互いに大切に想えて良かったなぁと
みずみずしくて美しくてセクシーなエリオも、
その俳優のティモシー・シャラメも好きになった

音楽も素晴らしかった
エリオが奏でるピアノやギターも
Sfujan Stevensの挿入歌も
作中で流れる全ての曲がおしゃれで美しかった
恋心に葛藤するエリオが映されるシーンの
『Futile Devices』と
2人がバスでミラノへ向かうシーンの
『Mystery Of love』と
ラストの暖炉のシーンで流れる
『Visions Of Gideon』が大好き

1983年のイタリア
街並みもファッションも
時代を感じる自転車や車も
時間の使い方までもが素敵
川遊びをしたり、読書をしたり
いい時間の使い方をしてるなって
YouTubeに費やした時間を読書に捧げたら
どれだけ人生が豊かになったかと考えてしまう

「今はまだ
 ひたすら悲しく苦しいだろう
 痛みを葬るな
 感じた喜びも忘れずに...」

別れた悲しみに打ちひしがれるエリオに
お父さんが語りかけるシーン...
あまりにも素晴らしい
あまりにも心揺さぶられる
愛に溢れているこのシーンを
この先もずっと忘れずにいたい

ラストで暖炉を見つめるエリオ...
表情の一つ一つに、流れる涙に、瞬きに
全部に感情が詰まっているかのようで
心を預けてしまうほど引き込まれた
もこもも

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