美しい幻のような儚い時間が、淡々と静かに流れていく。
惹かれ合う2人の恋はガラスのように繊細かつ、抑えきれない衝動性がある。でも決して手に汗握るような、ハラハラや辛さ、心に負荷のかかるストーリー展開はなく、心の揺れ動きをたしかに感じるのだけれど、薄い幕を一枚通して傍観しているような心の静けさがある。
永遠に2人を見ていたいと思う。夢を見ているかのような感覚。
切り取られるカットも美しい。
ストーリーに重要だから切り取られたカットではない、まるで2人の忘れたくないひと夏の夢をただ追体験するような日常の一コマたち。
それが本当に夢見心地で心にいつまでも残る。