北イタリアのとある避暑地。17歳のエリオは今年も父母と一緒に別荘で過ごしている。考古学教授の父のもとにオリヴァーという大学院生が助手としてやって来て、6週間を過ごすことになる。やたらと自信家で知性もあるオリヴァーを最初は疎ましく思っていたエリアだったが、次第に彼に惹かれていって…な話。
80年代のイタリアが舞台ということで、英語とイタリア語のチャンポンな会話が耳に心地良く、自然豊かな風景に癒され、エリオとオリヴァーの肉体美が眩しい恋愛映画。
男同士の恋愛を描く、というとどうしても悲劇的なラストになってしまいがちだけど、今作はビターながらも前向きな感じに撮られていて良かった。
そう感じるのは、父母の存在が大きいか。…ユダヤ教って同性愛okなのかな。ラスト間際で失恋に沈むエリオに、優しく寄り添う父親の姿と言葉がとても印象的だった。
これまたゲイ映画によくありがちなんだけど、やたらと風景を映すので少し間延びした印象を受けた。もう少しテンポ良く進めれば、90分くらいにまでいけたのではないだろうか。…まあ、イタリア行ってみたいなぁと思わせる魅力的な風景は沢山あったけども。
奥ゆかしく視線とさりげないボディタッチで触れ合っているかと思えば、お互いの気持ちがわかると堰を切ったように熱情が迸る。17歳と24歳の眩しすぎる恋愛を観られて良かったと思う。