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君の名前で僕を呼んでのmのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.4
美しく綺麗なラブストーリー、だけど重みのある話だった。

とにかく、ティモシーシャラメ演じるエリオの17歳という、繊細で危うくて大人になれない時期にいるというのが印象的だった。色々な場面で泣いてしまったり、衝動が抑えきれなかったり、子供な部分が多かったように思う。こんなエリオが自分の気持ちに正直になれたのも、彼のオープンな家庭の影響だと思う。逆境が無いのでは?という意見もあるが、この家庭でなければエリオが行動に踏み出すことも出来なかったと思う。また、ティモシーシャラメの美しさがよりエリオの繊細さを引き立てたと思う。特に、最後のシーンはすごい。一夏の緑豊かな時期の恋、それからオリヴァーがいなくなってからの緑のない冬のシーン。それがよりエリオの苦しみを際立たせた。

一方、大人で経験の多いであろうオリヴァー。矯正されて育ってきた、つまり同性愛にオープンなエリオな家庭とは違い、逃げることになった。オリヴァーの方の描写が少ないため、エリオに感情移入してどうして逃げたのだと言いたくなるが、彼なりにエリオに対する愛情と叶わない苦しさの葛藤があったのかもしれない。このタイトルがオリヴァーが言ったものであったことも、彼のエリオへの愛情がわかる。

君の名前で僕を呼んで、僕の名前で君を呼ぶ。
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