Hasuki

君の名前で僕を呼んでのHasukiのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
ついに見た。期待以上のものを得た。ある意味気が狂った。体の疲労のせいもあるが、底知れぬ没入。学校の図書館に1時間ほど放心状態で座ってられるほどの。正直、あまりよく分からず疑問だらけだった。しかしその疑問すら飲み込む繊細さと美しさがただひたすら自分の目に焼き付いてまるで夢見心地だった。西洋のアート、文学を知らねばなと思った。あとクラシックを聞こう。
オープニングから圧倒的に良すぎる音楽と映像美を感じ、神作だとすぐに勘づいた。
主題はいくつか考えられるとは思うが、私が初見で1番印象的だったのは、この映画で描かれる、人間の欲望についてだ。
「どの彫像も曲線を描いている。時には極端すぎるほど無頓着に。時を超えた曖昧さを持つ。欲望を挑発するように。」
あくまで日本ではだが、欲を包み隠さずに解放するということは、だらしないこと、とっいったような世間の価値観が存在するように感じる。とくに性欲に関してはシビアだ。しかしこの映画の世界では、その価値観は逆転し、それはそれは美しく描いていた。
この映画の繊細さを例えるとすると、糸が複雑に絡み合いながら、結び目を作ったり、ときにはほどけたりを繰り返す感じかなぁ。それはそれは美しく細かく綺麗にゆっくりと。
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