ほりはる

君の名前で僕を呼んでのほりはるのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.9
恋は美しく、時に激しく、そして儚いもの。
落ちた瞬間にまばゆいほどの光に包まれ、北イタリアの夏の美しい景色はさらに濃く、鮮やかになった。
終わりを告げた時、季節は冬になっていた。真っ白に、世界は色を消していく。
ただ、思いだけは、灯火のようにずっと心の奥を温め続ける。

好きな理由に言葉や説明なんかいらない。性別がどうこうとか、何故?という疑問すらタブー。
エリオとオリバーだから惹かれあった、ただそれだけ。
どんな結末を迎えようとも、事実が変わることはなく、あの街で、2人は出会った。

絵画のようにどこまでも美しく、流れる音楽は滑らかに心に入り込む。
エリオを包み込む父の語りかけと、母の眼差しの優しさよ。
こんな、息をすることすら忘れてしまうぐらいに、引きこまれる映画は初めてです。
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