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君の名前で僕を呼んでのayukaのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

なんというか、心と心を描いた抽象画を、また具体的にしたような映画だった。

磁石のようとはよく言うもんだ。心がくっついたり離れたりする。くっつきたいのに離れようとする。素直になれないでいる。

真夜中を待つ間、エリオが女の子とエッチして遊んでたあの描写がまたなんだか間接的に胸を苦しめる。どうにか真夜中までの時間を早送りしたくて、じっとしていられなくて、目先の快感に目を瞑ってただ楽しんでいただけなんだよね。早く真夜中にならないかな〜ってそんなじれったささえ忘れたくて。矛盾してるけど恋ってそんなものだろう?

終盤のお父さんの言ったことが、やっぱりまた胸にきた。感情を目一杯感じること。友達に勧められて読んだ本に全く同じことが書いてあった。癒えるためにも悲しい感情をに浸って味わい尽くすことが大事なんだと。ほんとうに初恋でしか味わえない感情を、今の君であるうちに感じることが大切なんだよ、その思いが大切なんだよって、年上の人間ができる真っ当なアドバイス。

あとは、エリオとオリヴァーのぴったり具合がすごかった。エリオがカエルみたいにピョンピョン抱きついて、私も見ているだけでオリヴァーに安心感を抱いた。赤と緑のように、月と太陽のように真反対のようなふたりだけど、ぴったり重なるふたりでもあった。

自らの恋の経験を彼らに重ねられた時、エリオに感情移入できたとき、きっと涙がこぼれるでしょう、、、

とても瑞々しくて(水も滴りまくっている)若くてキラキラした映画でした。よかった。

(蝿がめちゃくちゃ気になった、、!!まさかの最後の長回しでもエリオ君の肩のところに歩いてましたよ。蝿はなんのメタファーなんだろう?)
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