ダイナ

君の名前で僕を呼んでのダイナのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.9
同性同士の恋愛をテーマとした作品。主役の感情の揺れ動きがメインに描かれており、性描写は抑えられている印象。そのため、純粋に恋愛モノとして鑑賞することができる。が、あくまで控えめであって特定層へ配慮することなく映すべき描写は映しているので、家族と一緒に鑑賞となると家庭によっては凍り付くかもしれないので注意が必要。

主役二人は二人とも美形。エリオは彫刻のように彫りが深い。話し方、言葉、動作から繊細でいて純粋な印象を受ける。オリヴァーはダンディさもあるがハンサム感が強い。知的で自信家の様は、彼に惹かれる理由もどことなく理解させられる。

作品内では基本環境音とピアノのBGMが流れており(挿入歌もたまに流れたり)、主役達の行動が、繊細な心情がベースとなっていることを印象付かせるのに一役買っている。ロケーションはイタリア。アプリコット、水遊び、編曲作業に囲まれて過ごす日々にて、生活の些細なシーンが積み重なっていく。それらのシーンは照れや想いにふける甘酸っぱいものや、嫉妬的で寂しさを感じさせる苦いもの、生々しい性的衝動の発散という辛いもの、恋愛を描く上で発生する様々な心情を映していている。丁寧な描写群が登場人物の心情の揺れ動きを分かりやすく説いてくれる。

自分が一番気に入っているのは、父親との会話からラストまでの流れ。是非ここまでは見てほしい(=全編見てほしい!)。ラストのクレジットが流れる所は役者の力というものをまじまじと感じさせられる。
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