わっせ

君の名前で僕を呼んでのわっせのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0
"きれい"という形容語句は嫌いで、そういう語句を用いて賞揚される映画も嫌いなんだけど、この映画はそんな嫌いでもない。
ユートピア的な世界のなかで学術の世界の話が悪くないアクセントだった。ギリシャ・ローマ美術は好きではないが、、、まあそれを土台にした西洋美術としての映画ってことなのかな(適当)
官能がまだ女性の…"専有物"でなかった時代の芸術が、水を媒体としてふたりのまえに現れたとき、男性同士の感応と官能を喚起する………とか言ってみる。喜びを痛みと共にを葬るのがもったいないことのように、一度でも浮かんだ言葉を恥ずかしさと共に葬るのは損失だから(激恥)

ユダヤ人に同性愛もモチーフとしてやりすぎな気がする。

しつこいくらい恋や同性への興味をにおわせていて、かつ美しく描こうとしている。別にそれが苦手でもないんだけど、それを無理矢理肯定させようとする、あるいはそれが普通だと首根っこをつかまれて自白させようとする意識的な腕力を感じて、そのことがこの映画にたいする個人的な忌避感になってる気がする。
愛ってもっと概念的に美しくて、実質的に汚いものなんじゃないかなあ。そういう個人的な心情に則っていつも映画を観ているけど、それを感じられなかったので、正面から愛を描こうとしていないと感じてしまった。
……と思ったらあのくだもののシーンが出てきて満足しました。考えてみれば映像がきれいなだけでもどれも汚いのかも。

政治語り騒音おじさんおばさんくっそ好き。
わっせ

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