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君の名前で僕を呼んでのmonamiのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
君の名前で僕を呼んで。
2018年の4月27日にわたしの人生に大きく影響した映画です。

北イタリアの一夏、考古学者の父を持つエリオとそこへやってきたアシスタントのオリヴァーのと恋を描いた映画。月並みな恋という言葉で表していいのか、でも恋としか形容のできない激情。

エリオとオリヴァーの部屋を繋ぐバスルームの冷たさも、夏の緑も、秘密の場所の水の冷たさも、テーブルの上に広がる桃やワイン、自転車がきった風の匂いまで伝わってくるような臨場感。

流れるピアノとエリオの成熟しきらない声、オリヴァーの低い男性らしい声。いつBGMがあってどこでBGMがないのかなんて自然すぎて気づかないけれど長回しの広場でのシーンはただ2人の声だけが私の心に染み込むようで、ただ音楽みたいに流れていくだけのシーン、セリフじゃなくてじわっと私の心に染み込むような気がしました。

回数を重ねる度に見つけること、気づくことのある映画。言いたいことがありすぎて書ききれないけど冒頭でも書いた通り、恋という言葉では表しきれない激情が終わりにかけて徐々に凪いでいくような、2人の気持ちが並んだメトロノームのようにずれて、合わさって、またずれるような感じでした。ただ大切な物語。北イタリアのいつ頃か、たった2人のたった一夏の話。
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