百合ちゃん

君の名前で僕を呼んでの百合ちゃんのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.9
美しい映画でした。余韻が抜けないほど。まだイタリアの夏のさざめきが聞こえている気がするし 水の冷たさを感じている気がする。入り組んだ複雑なストーリーはなくて みんながただ話しているだけだし ただ夏を好きなように過ごしてるだけ。ただ、それがどうしようもなく美しい。

燃え上がる気持ち。歳をとるにつれて抑えようとして30を迎えるころには何も感じなくなってしまう。もう一度だけ、感じてみたいと思った。中学生のときはあんなに真っ直ぐだったのに いつのまにか 気持ちを抑えるのに慣れてしまった。

シャラメ様の演技が グッときた。本当にグッときた。特に最後のシーン。彼は一言も発さないシーンだけど、この私が涙ぐむほど素晴らしい演技だった。

詩的な美しさを浴びて、ただただ幸せだった。本当に幸せ!たっっっぷりの自然と好きな人。なんて最高の組み合わせ!2人の幸せな気持ちがわたしの気持ちをも満たしてくれました。

撮り方やアングル色味、会話など全部含めてとても綺麗で、遠い記憶のような、日記の中にいるようなイメージを持ちました。

わたしもあんな親になりたいな。他の親だったら息子や娘の熱が冷めて欲しいと願うかもしれないけど、その熱こそが愛おしくて羨ましくて生涯を通して大切にしてほしいと願う親。痛くて苦しくて何も感じたくないと思うかもしれないけど、その痛みこそ生きてる証であって誰かを愛することができる証だと やさしく教えてあげられる親。そしてただただ私がそばにいるからと寄り添ってくれる親。なれるかな。

それはあなただったから。
それはわたしだったから。

グッときました。本当に本当に幸せだった。生涯を通して大切にしたい映画。