ふじたけ

君の名前で僕を呼んでのふじたけのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.8
これは傑作。俺が大好きな自己探求の話。子供の世界と大人の世界、美しい神的世界と甘美な悪魔的世界の間で悩む青年が実存を確立していく。
どんなに悲しくて悔しいことがあってもその出来事、その時の気持ちを忘れてはいけない。裏切られたり、自分の努力が全て無駄になったり、馬鹿にされた時、激しい憎悪や羞恥でかつて抱いた自分の美しい気持ちを全てなかったことにしてしまうことが私にはよくある。だが、かつての気持ちは誰にも気づかれない心の奥でそっと優しく鍵をして大切にとっておくべきなのだ。
時に荒れ狂い、時にはそっと緩やかに流れる川だが、川は常に一であり全である。その源泉はたった一つ。
説明台詞はほとんどなく、視線と行動だけでストーリーを語っていく。多分この監督昔の映画が大好きなんでしょう。
ユダヤ人、実存、音楽、水、川、彫刻などなど色んな要素がありすぎて全てを消化できたわけではないけど、相当高度な映画だと思う。教養をもっと磨かなければ😱
サスペリアも見たいと思います。
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