三体艦隊

A2 完全版の三体艦隊のレビュー・感想・評価

A2 完全版(2015年製作の映画)
4.2
松本サリン事件の被害者河野氏宅にて、オウム真理教の幹部が謝罪をするかどうか揉める場面にて、幹部同士が被害者の前でヘラヘラまとまりのない会話を続けていて、強い憤りを覚えた。
併せて、オウム真理教の立ち退きを求める住民側と信者との間に絆らしきものが生まれる場面でも、両者共にこのヘラヘラ顔がみてとれた。
海外のカルト宗教のドキュメンタリーで、このヘラヘラ笑顔をみたことがない。良くも悪くも真剣である。追い出したい住民もヘラヘラ、信者もヘラヘラ。最後は絆が生まれて感動。個人主義社会と集団主義社会の表情の差なのか。エートスとして刻み込まれているのか。くだらん。
被害者河野氏のみが、真剣な眼差しで信者をみつめる。あまりにも凄惨な事件を経ても、信者の行く末のためにセレモニーとして「利用」してもよいというあまりにも寛大な申し出。それをヘラヘラ。
恐らく、信者達も真剣に修行しているのだろうが、感情の表出や表情をみると非常に幼稚で、修行を経て得るような厳格さ/高貴さは微塵もなく、終わらない青春を過ごしているよう。
住民も同じレベルで、非常にしょぼいレベルで絆を育み勝手に感動して終わる。オウムも住民も怖すぎる。迫害or絆しかないのかアプローチは。

さて、今回はカルト宗教VS国家権力が主な対立軸だが、現在、安倍元首相暗殺事件にて国家権力≒カルト宗教の様相を呈している。ここにきて、未だに総括もない。
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