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ティント・ブラス 秘蜜のGijoeGoのレビュー・感想・評価

ティント・ブラス 秘蜜(2002年製作の映画)
3.9
仕事に夢中な亭主に愛想を尽かしたアラフォー人妻リヴィアの肉欲に溺れた官能文学的な作品。

若いドイツ将校に一目惚れしてアソコを濡らす性欲に前のめりなリヴィアはそれを見透かされドイツ将校の奴隷になってしまう。本人もそれを望んでいるようで楽しげな様子。

絵画の裸婦画の様な生々しい裸体を若い将校とHに勤しむ芝居が美しくもリアル。大戦末期の最中に上流階級だからこんな呑気な事にうつつを抜かせる余裕。
旦那は一生懸命稼いでるのを妻が貢ぐ構造。
ホストに貢ぐ有閑マダムの様だ。

ドロドロしてそうだがビーチでの行為は海面が光輝く映像とモリコーネの美しく切ないメロディーが素晴らしい。

自分が金づるとわかっていても愛ゆえに貢いでしまうリヴィア。だんだん図に載る将校。

彼の借金返済の為、性の館に行くと文字通りチンチン電車が!
色んな場所で痴態が行われる大人のパーティー状態。
美しい館に酒池肉林にクスリというアンバランスな描写が退廃的でたまらない。

そこからどん底へ落ちていき復讐劇となるが流石の行動力でトントン拍子に事が進み幕引きが鮮やか。
どんな人間だろうと最後は漁夫の利が勝つのも素敵。さすが弁護士。

アソコに手を突っ込んだりまたがったり、手コキしたりオシッコしたりと酒池肉林のかなり直接的なエロ描写が多数あるが上品にまとめられているのが凄い!ボカシてるからか?
美しく撮る技術と撮られる技術に長けてるからか。
カラーとモノクロの映像の切り替えも意味があって撮影技術的にも見応えがあった。

疎開先で安心したのかメイドの娘までお盛んで笑えた。

将校もあんな裏切り方をしたらただじゃ済まないだろうに相手を舐めてるとしか。
卑怯者という自覚がありながら脇が甘いが裏表のある演技とバキバキの肉体は素晴らしい。

軽いノリのソフトポルノ的な作品かと思ったら意外にもエロスもありつつ戦時中の混乱期を描写重厚感ある作品であった。
パルチザンやファシスト、ゲシュタポやゲッペルスなどの用語があちこち出てくるので緊張感がどことなく漂うのもこの作品の良さ。

戦争よりも尻を愛する将校の同情するがこのご時世で遊びすぎ。

衣装がどれも素晴らしい。黒い下着やストッキング。特に帽子が印象的でいかにも上級階級というのが一目で分かるいいアクセントになってる。
将校の若い彼女の全裸に軍帽が愛の嵐っぽくて無条件にエロい。
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