ヤマト

猟奇的な彼女のヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

猟奇的な彼女(2001年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 酔い狂う彼女に酔いしれる 】
 彼女(チョン・ジヒョン)が超破天荒で、観ていて気持ちがいいです。「ぶっ殺す」「死にたいの?」が口癖であり、上品とは対極な振る舞いですけれど、なにしろ美人な彼女がそれをするものですから、男は酔いしれ虜になります。言うなれば“ギャップ“です。
 それにしても序盤の電車での“やらかし”は凄まじかったです。吐く方も、その“ブツ”も本当にリアルなのです。まさに観ているこちらまで酔ってしまう勢いです。言うなれば“もらい酔い”です。
 豪快な彼女と繊細な彼氏の組み合わせはいかに。うまくいったり、いかなかったりの繰り返しで、タイムカプセルならぬタマゴカプセルにそれぞれの想いを樹木の元に一時保存したふたり。二年後に開けたときに想いが変わらないなら吉で、変わってしまったら凶。恋を試して回りくどいと思われがちですが、私はロマンチックだなと思いました。二人の運命を時間に任せる美しさを感じたからです。
 結局のところ、彼女は約束になっても現れず、現れても電車の乗り違いで互い違いの連続です。切なさと儚さが漂い始めたところでエンド。とはなりませんでした。
 最後の最後で予期せぬ巡り合わせが待っていたのです。結局のところ、運命の人とは決まっているのです。何があっても最後には結ばれる。断ち切り断ち切られることはないのです。まるで大樹の根の如く、根底で繋がっているのですから。
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