鰹よろし

サイレント・ワールド セカンド・アイスエイジの鰹よろしのレビュー・感想・評価

2.5
 南極の調査現場において科学者たちを率いる中間管理職の男は、現場の超個性派集団のみならずデスクでふんぞり返る上司との板挟みに揺れている。こいつが一番可哀そうな奴だった...

 資金繰り(利益)ばかりを優先し軍にも協力を仰ぐ経営者(上司)の下研究を続ける主人公(部下)は、研究の意義はお金では無いと異を唱える一方、お金が無ければ研究を続けられない問題の解決方法を、親友の大学教授とそのゼミ生2人をタダ働きさせ、辞めると言った研究所を勝手に使用する以外に見出せない。

 また彼は科学は常に正しいと豪語するが、実験室に籠りがちで世間と没交渉だそうで、地球(人類)の危機を声高に叫ぶ一方、いったいどこの誰に向け還元されようとする研究なのかがさっぱり不透明。

 そして学生時代の親友と元カノが結婚しており子どもまでいるという、いきなり始まる三角関係に彼の心はもうグッラグラ。且つ見舞われる事態を機に急接近したゼミ生2人のラブストーリーも相まって事態を余所にアッツアツ。

 物理的及び精神的な人間模様(想いのベクトル)の変化を通して、転極(ポールシフト...地磁気の逆転...)という現象を浸透させる試みは面白かった。


 「ザ・コア」(2003)...「エイリアンVS.プレデター」(2004)...「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)...「デス・フロア」(2017)...「賭博黙示録カイジ」...
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