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レザボア・ドッグスのKEKEKEのレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
5.0
- 大局的には既に詰んでて全員不幸になることがほとんど確定しているシチュエーションで、アクシデントがビリヤードのタマみたいに衝突し合ってもっと最悪な事件を引き起こす、みたいな
- そのエネルギーの蓄積が最大に達したところで、最終2人の男の関係性のドラマに収斂する、みたいなの正直好きです

- 本来因果が逆だけど最近マーティンマクドナーの作品を続けて観ていたからその構造にすごく既視感があった、こんなにタランティーノに影響を受けていたとは知らなんだ(あっちは構造のやるせなさみたいなものを強調していて、頑なにドラマに持っていかないから全然別物だとも思う)

- こういう銃撃戦になるといつも、人って頭を撃たれたとしても反射的に引き金を引けるんだろうかと思ってしまう
- それができないとすると、今回に関しては完全な三つ巴でもないんだから、親父がもう少し我慢して初手で息子がホワイトの頭を撃つのがこの場の最適解だったんじゃないだろうか、とかも思ってしまう
- 結果全員撃たれたから、なるほどピンクが漁夫の利を狙って最適なタイミングで息子を撃ったんだその手があったかと納得したんだけど、巻き戻したら普通にホワイトが2発撃ってて謎だった
- このどうしようもない空間でどうしようもないことをしてるクズ達の画こそ、タランティーノが望んだものだったんだろうか
- ピンクがマジで隠れてただけなら、ホワイトは本来詰んでる場面だったのによう頑張った

- 最後にホワイトがオレンジを撃てたかどうかがこの映画の主眼なんだろうけど、しょうもないことがいっぱい気になっちゃった
- オレンジの作り話の皮肉とか、警察側のドラマも無駄なくスタイリッシュに描けているところとか、何と言っても全体的にシュッとしていてすごく観やすいところとか、いいところは無限にありました
- これ28歳で撮ってるって普通に凄すぎて意味不ですね

- これ↑書いたあとにしばらく考えて思ったんですけど、あの銃を向け合うシーンは、その人間が最も譲れない信条みたいなものを表現した画面だったのかもしれないなとハッとした
- 親父→裏切り、息子→家族、ホワイト→友情、みたいな?
- だとするとオープニングの円卓でしょうもないポリシーを開陳してたピンクがこの争いに参加できなかったのも納得で、親父が最初に発砲した意味も出てくる
- そして最後に生き残ったのがホワイトだけなのも、その結果信念が裏目ったのもすごくドラマチックで、民間人を殺してまで潜入捜査官としての仕事を全うした男が、命をかけて自分を守ってくれた男に真実を打ち明けることのヘビーさも違って見えてくる
- 構造の歪さはそのまま、連帯してたかのように思えた強盗たちの信条の歪さでもあり、それがラストに繋がってたのはちゃんと熱くて、作品の主とするところを観れてなかっただけだったと思った、感想がかなり変わりました
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