このレビューはネタバレを含みます
暴力的だか上質な密室劇。
人にはそれぞれバックグラウンドがあるが、感動の別れなどなく、血を吹いて割とあっけなく死んでいく、そんな人生の刹那さをエンタメに仕立てあげている。
そこが良かった。
冒頭ライク・ア・ヴァージンの意味についてタランティーノが無意味に力説するシーンに始まり、チェンソーマンのOPのあのシーンにつながる。
下品な笑いが好きな人は、とりあえずここまでは見て欲しい。
ホワイトとピンクの疑心暗鬼な中での掛け合いも迫力があって見事。
後々にわかるが、倒れているピンクの横でのその様子はSAWのよう。
ブロンドの拷問シーンはなかなかにエグいが、それゆえにキャラの暴力性を引き立てている。
要所要所でキャラの深堀りがあり、「あ、こいつはスパイじゃなかった」と分かると同時に、人間性やキャラ同士の関係性が明確になっていき、ラストに向かっての緊張感が高まる。
ラストはまさかの展開だったが、その救いのなさがタランティーノ。
面白かった。