宝石強盗を働くことになる見ず知らずの男たちの「その後」を描く犯罪映画。クエンティン・タランティーノの記念すべき初監督作品。
上映開始から唐突に始まるなんでもないような会話、そこにいるのはなんとも癖のある登場人物たち。そんな冒頭の陽気な雑談とオープニングから一変、すぐさまグイッとその世界に引き込まれること請け合い。基本ワンシチュエーションで進行していきつつ、素性の知れない者同士の心理戦にも似た掛け合いというのがこの映画の見どころ。タランティーノ映画特有の会話劇、何気ないシーンの数々、画面いっぱいに漂うヒリヒリ感はこの頃からすでに確立されてるように思うし、現在も彼の作品で頻繁に使われるチャプター構成のような展開の仕方と、時間を後々遡る手法も非常に味がある。そしてそこに乗る俳優たちも本当に素晴らしい。この映画でティム・ロスにハマったって人は俺だけじゃないはず。
上映時間100分でサラッと見れる、そしてたまに見たくなってしまうなんともクールで知的な一本。タランティーノ作品の入門編としてもオススメしたい。いやしかしミスターピンクって名前つけられるのは俺もイヤだな。