ひれんじゃく

レザボア・ドッグスのひれんじゃくのレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
3.4
タランティーノに慣れていないせいか長い台詞回しが新鮮だった。なんだか映画というより漫画やアニメを見ているみたい。つらつらつらつらとみんなよく喋る。セリフ考えてるとき楽しそ〜〜〜!!!そして例の有名なオープニング。メチャクチャかっこいい。ただ男たちが歩いてキャストの名前が出てるだけなのにかっこよくてすごい。その中にしれっと混じるタランティーノで笑う。

構成もものすごいなと思った。(小並感)
おそらく普通だったら冒頭のみんな勢揃い性格紹介シーン→男たちがバックを歩くスタッフロール→準備シーン→強盗シーン→…みたいな流れでやる気がするんだけど、敢えて強盗した直後から、それもホワイトとオレンジの2人にクローズするのすごいなと思った。まあこの話の主役はオレンジみたいなものだから……とはいえ。色んな人の回想を挟み、倉庫での会話シーンでぐるぐるぐると頭の中を掻き回してのあのラストは痛快。そして何よりオレンジが暗記した作り話が身体の中に浸透していくにつれ、本物の「経験」として、映像として提示されるあそこがメチャクチャすき。あそこだけはただのセリフで済まさず映像を挟んでくるのか…と唸ってしまった。神は細部に宿るというか、嘘が段々と真になるその集大成を明快に示していてすばらしい。

だけど私のアンテナがタランティーノにピントが合ってないせいで今一つ何をやりたいのか、何を描きたいのか、どこがそれほど面白いのか理解できず。冗長さを感じるなど。無念。ホワイトとオレンジの間の絆の深さは大変分からせられたんだけど、どこでそれほど仲良くなる描写があったのか。なんでホワイトはあそこまでオレンジを気に入ったのか。サインを見逃したかも。それとも行間を読めということか?
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