父親を遺産目当てで義母に殺されて自らも暴行された少女が復讐を遂げるというポルノドラマが、雨に濡れた屋敷や夕日など美しすぎる映像(カメラマンが映像にこだわりすぎたため大幅に赤字を出したという逸話が)により神話性を帯び美しき復讐者が神の代わりの巫女のように卑しき者を滅ぼしていく説話のようなドラマへ。特に旅に出ていて主人公が亡くなった父親にそっくりの乞食と出会い彼に抱かれていく様は風景の美しさもあいまって芸術映画のような風格も感じられた。

主人公を演じる日野繭子は正直美人ではないけれど鋭い目付きが何かを見据えている復讐者にぴったり、和服姿もよく似合っている。悪党を演じる岡尚美、野上正義、下元史朗の演技も見事。

でもここまでよく出来ているのに、お話がご都合主義などころがあるところにピンク映画らしさを感じてちょっと残念な心持ちに。

ラストもきまっている。

日野さんが猿と一緒に生芋かじってからの海辺のシーンまじ神々しさあった。
緊縛はとってつけた感じたからジャンルものとは言えないけど。
岡さん苦手なタイプだけどラストシーンの熱演は凄かったな。
下元さんのスーツ姿足長って思った。
「あばずれ」見に行けなかったの悔やまれるな〜。

「雪之丞変化」をモチーフにした復讐譚であり監督のデビュー作「あばずれ」のセルフリメイク。

タイトルから日野繭子の少女しのが緊縛されるのだとばかり思っていたら、復讐鬼と化して縛るほうでした。
復讐のため一生懸命鬼になったと言うしのに向かって
思わず「オニ！」と罵声を浴びせるアヤ（岡尚美）・・・「お前に言われたくない。」と思わず心中、叫んだよ。

巡礼回想シーンが美しく印象的。
父親似の乞食に食糧と身体を施すしの。近親相姦シナリオ。

やはり下元哲朗が良い。
「この辺では顔が効くんだ」とアヤと番頭（野上正義）の手下になったり、犯したしのに本気で惚れたと復讐に一役買う、軽い立ち位置のキャラが良いです。

芸者化粧で日野繭子が尚更ブサイクに見える。
でも不思議、復讐を遂げたラストシーンの浜辺での巡礼姿はとても美しいものがありました。

岡尚美のド淫乱エロの下品さも光ってる。

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