レイトショウ特集／ゆきてかえらぬ 渡辺護 官能の旅
『あばずれ』のリメイク。渡辺護は本作『変態SEX 私とろける』の一年前に『少女縄化粧』を撮って、それなりの手ごたえを感じたのだろうが、やはり時代設定を変え、緊縛ものの要素を加えたことで『あばずれ』から離れてしまったことで後悔が残り、いま一度ちゃんとリメイクしてみたいと思ったのではないだろうか。
大阪が舞台のはずなのに、突如、無人の「新宿の目」の前での殺しの場となり（女と拳銃！）、クライマックスの闇に浮かぶ荒涼たる砂丘は、それなりにリアリズムで描いていたはずの『あばずれ』とはまたひと味ちがうクールな感触を受ける。
ちんぴら役の佐野和宏はピンク映画2本目。ラピュタ阿佐ヶ谷でのトークショーによれば、ピンクデビュー作『ラビットセックス 女子学生集団暴行事件』（1980）の監督ガイラ（小水一男）から渡辺を紹介されたそうである。「内田裕也みたいだな」と述懐していたのには笑った。
Filmarksのスタッフ、キャストを補足。
脚本：渡辺護、吉田義昭 撮影：久我剛
出演：夏麗子、杉佳代子、佐野和宏、津崎公平
