クァク・キョンテク監督が描く男泣きの純愛映画。一部では酷評されているようだがそんなに悪くはなかった。たったひとりの女性を一途に想い続ける男の切ない話で、優男のイメージが強かったチュ・ジンモが男らしく大胆にイメージチェンジし真っ直ぐに生きる熱い想いの青年を見事に演じている。言葉では伝えきれない想いがやがて愛する女性に、そして自分自身にも哀しい運命を辿らせてしまう主人公の姿に号泣してしまった。ただ主人公に想われる女性(パク・シヨン)が一昔前の韓国映画に出てくるような幸薄くて古風なキャラクターでしかないのが気になったが。内容的には若者より中高年世代をターゲットにしたような感じで、韓国の地方都市=釜山が舞台でセリフも全編を通して方言が使用されている点でも「友へ チング」(2001)と同じくノスタルジック路線を狙った感じである。
09/04/20