あきしげ

ニック/NICK ラスト・フューリーのあきしげのレビュー・感想・評価

3.5
怒りの頂点に達したニックは冷静になる。

良かった点。

・シリーズの完結に相応しい緊張感
・ニックが暴走しているようで実は冷静
・フィラトとの妙な関係性

悪かった点。

・結局、ニックはドライブしただけ
・全編に渡って息の詰まるシリアスさ
・複雑なようで単純な仕掛けは最後が雑

シリーズ四作目にして完結する。
70年から続くドラマシリーズのエピソード。
ニックという一匹狼がハンブルグを変える。
しかし、それには多大な犠牲を払った。

主人公は無敵ではないただの人間。
圧倒的な戦闘力はありません。
暴走すると言っても大爆発を起こさない。
銃撃戦だってほとんどない。

ただ、ハンブルグを浄化する為に立ち上がる。
誰も行動しない中で一人だけ奮闘する。
はみ出し刑事だからこそできた。

相棒のヤルシンが貴重な存在。
コミカルさがなくなるも、ニックにとって欠かせない相棒になる。

警察署で情報整理をするイネス。
二作目の短い髪型はなかなか似合っていた。

ニックの上司であるホルガー。
悩みの種だったが最終的に温かく出迎える。

娘のレニー。
実の娘だから親子の演技は自然。
しかし、お前は余計な事をしたから親父がブチ切れた。

宿敵フィラトとの妙な関係性。
改心したように見えて、やっぱり悪人だと分かる。
もう少し上手くやれば良いキャラクターになっていた。

完結編として充分な緊張感があった。
演出も上手く、違う場面が一点の緊張感に集約するのは良かった。
もう少し予算があれば更に面白くなっただけに少し残念。

ドイツのテレビ映画はレベルが高い。
あきしげ

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