るるびっち

アンチャーテッドのるるびっちのレビュー・感想・評価

アンチャーテッド(2022年製作の映画)
4.0
考えてみると、主人公側と悪役側と何が違うのだろう?
どちらも宝物を狙うという意味では強欲である。
だからこそ主人公は、宝物ではない何かを求めなくてはいけない。
今回の場合、表向きの理由は兄探しだ。
しかし本当は狭い世界を飛び出して、自由を求める自分探しである。
だからこそ「アンチャーテッド(地図にない場所)」を探すのだ。
主人公の青年は兄に見捨てられたと思っていて、バイトとスリで生計を立てている。

一見ひょうきんで明るいが、それはコンプレックスの裏返しであり、兄に捨てられケチなスリであることを卑屈に思っている。
だが、そんな裏側はクドクド描かず冒険活劇として楽しく処理しているのが上品。
陽気に見えて狭い世界から飛び出せずにいる彼の背中を押すのが、怪しげな中年男。こいつが怪しげだからこそ、彼は用心深く色々学んで世渡りも冒険も達者になっていく。
冒険の中で何度も裏切られながらも、本当の信頼を築く。
大事なものは兄の消息でも宝物でもなく、「信頼」ということなのだ。
「沈黙は金」ならぬ「信頼こそ金」なのである。
それを求めに、はるばる地図のない世界まで旅立っていったのだ。

そんな心躍る冒険活劇で、色々とギミックもあって楽しかった。
フライング・ダッチマン(幽霊船)が、本当に空を飛ぶ姿も見られて驚いた。
海賊映画でよくある船への殴り込みが、空中で行われるのが笑う。
まあ、楽しかったという以外の感想もなく、「宝より大事なものを探してうんぬん」というのも、無理矢理でっちあげた感想なのだが・・・
冒険映画は、それでいいのだ!
はい、おしまい。
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