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アンチャーテッドのsomaddesignのレビュー・感想・評価

アンチャーテッド(2022年製作の映画)
4.0
トム・ホランドが元気そうで良かった

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ニューヨークでバーテンダーとして働くネイサンは、スリの腕前と兄譲りの宝探しの知識を見込まれ、古物商のサリーにスカウトされる。生き別れの兄サムが探していたという50億ドルの財宝を探す旅にでる。人気ゲームの映画化。

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スパイダーマンシリーズ以降のキャリア形成が気になるトムホ。とりあえず、元気に飛び跳ねてれば十分だし、スパイダーマンシリーズと比べてググッと成熟した大人の男性になってるのも新鮮味。つい最近まで高校生だと思ってたので、グイグイお酒を飲んでるだけで「大人になったんだねぇ」て気分になる。


ゲームに疎くて、てっきり「アンチャーデッド」てゾンビに追われる系ゲームかと思ってたら「トゥーム・レイダー」な宝探しアクションだった。
映画「インディ・ジョーンズ」みたいな世界観をゲームにしたのが「アンチャーテッド」。それをまた映画にしてるので、どうしたってインディ・ジョーンズみたい。現代が舞台なのと、より若々しい青年が主人公なので、キビキビ動けるアクションがカッコいい位が差異。現代のテクノロジーを活用したスパイ潜入要素も楽しかった。


原作ゲームにある要素なのか分からないけど、映画小ネタっぽいのが多いのも良い。予告編にも出てくる輸送機アクションやマティーニの件は007シリーズ、ティモシー・ダルトン版の「リビング・デイライツ」オマージュとみた。ホールの照明にぶら下がったり、スペインの街中追いかけっこ、ガム好き等はジャッキー・チェン「ポリスストーリー」や「スパルタンX」「サンダーアーム」シリーズっぽくて、80年代のアクション映画を現代の映像技術とアクションで蘇らせたみたい。おっさん感涙。

キャラクター全員悪人のアウトレイジ映画でもあって、真面目に見てると胸糞悪くなる。トムホの爽やかさでなんとなく中和してるけど、嘘ついて暴力振るってハニートラップもあり、人殺しにも躊躇ない。ド悪人しか出てこなくて若干引いた。
ネイサンがやたらと人を試すので、性格の悪さが垣間見えちゃう。欲を出した方が悪いっちゃ悪いんだけどさ。騙されそうなの分かってて、同衾した上で間違った方に誘導するの意地悪すぎて笑う。


ゲームの映画化といえば「スーパーマリオ」以来、B級大作映画になりがち。ジャンル映画として楽しむのが正しいのかも。
豪華なキャストとゲーム再現度高いVFX、トムホの筋肉美や軽やかな身のこなし。コロナ禍で海外旅行が難しい時勢にあって、世界を巡る観光映画としても楽しかった!

★5点中3点満点のジャンル映画にあって、期待を超えて丁度よく楽しかったのでこの評価。



余談)
宝探しは夢があるけど、トレジャー・ハンター映画ってつまりは墓荒らしか遺跡ドロボーになりがち。「インディー・ジョーンズ」はナチスから人類の宝を守るため、「トゥームレイダー」は悪党が古代のテクノロジーを悪用するのを防ぐためって大義名分があったけど、今作みたいに私利私欲丸出しで盗掘されるとイライラする。せっかくの遺跡を荒らす壊すは当たり前、お宝みっけて「大金持ちだ、やったー!」じゃねえっつーのよバカ! 歴史の教科書変わるくらいの大発見かもしれないのに💢

ネイトが先祖と信じてるフランシス・ドレイク卿は実在のイギリスの冒険家。イングランド人で初めて世界一周に成功した人としても有名だけど、16世紀のイギリスの航海船の一部は私掠船でもあったので、フランシス・ドレイクも私掠船長として名高い。イングランド人には英雄とされる一方、スペイン人からは「ドラコ(悪魔の化身・ドラゴン)」と呼ばれるほどに悪名高い。主に奴隷貿易と私掠船で名を成した人なので、ネイトがホントにその子孫なんだとしたら、スペイン人は先祖代々イングランド人に苦汁を飲まされたことになっちゃうね。


16本目
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