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アンチャーテッドのTomMoviemaniaのネタバレレビュー・内容・結末

アンチャーテッド(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『船をヘリで運ぶのは笑った』

率直な感想は「インディ・ジョーンズってすごいんだなー」

ヒーロー映画などのジャンルに関係なく、良い者が出てくる映画には悪役は欠かせない。この悪役のキャラ設定に拘らないと良い者側の魅力を引き出せない。この映画は完全にそこが抜けている。
アントニオ・バンデラスという有名俳優を起用しているのに、キャラクター設定がイマイチなせいで彼のセクシーさと渋いカッコ良さを引き出せてない。
変な若い暗殺者を登場させなくても、アントニオ・バンデラス演じるモンカーダを狡猾で凄腕のトレジャーハンターとして登場させていればもっと良い感じになっていたと思う。

他にも妙に現実味がないシーンが多かった。
映画の序盤は良かったけど、終盤に差し掛かるにつれてB級感が強くなった。
特に印象的なのは船をヘリで運ぶシーン。
あんな立派な船を普通のヘリ1台で運ぶシーンはツッコミどころが満載。ステンレスのワイヤーとかならまだ現実的だけど、意味不明なくらいスッカスカの鎖で運んでるのも笑ってしまう。
船の耐久性にもツッコミたい。
運ぶ最中に岩に激突するシーンがあったが、たかだか船の柵が壊れるだけで、ほとんど損傷がない。しかも、船体に鎖が食い込むことも一切ない。おんぼろな船なのに金属並みの耐久性があるのも不自然なところ。

ここまで読んでくれた人の中には「インディ・ジョーンズだって超常現象盛り沢山じゃん!」とツッコミたくなる人もいるかもしれない。
個人的には超常現象と笑っちゃう物理現象は全くの別物として区別してる。
インディ・ジョーンズでは超常現象が多く登場するけど、世界観を完全に創っているからこそ納得できるのであって、アンチャーテッドは映画の序盤で「割と現実的な映画」として観客に見せてしまったのが問題だと思う。最初からぶっ飛び映画として確立させていれば、後半の笑っちゃう物理現象は素通りできたはず。
なんとも勿体ない作品だと感じた。
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