TAK44マグナム

超人ロックのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

超人ロック(1984年製作の映画)
3.8
永遠の超人。


永遠の時を生きる銀河系最強のエスパー「超人ロック」。
掲載誌を変え続け、50年ぐらいの歴史を誇る長寿コミックが原作で、作者は「TWDエクスプレス」等のヒット作も生み出している聖悠紀。
聖悠紀先生といえば、「超電磁マシーン・ボルテスⅤ」や「忍者キャプター」等、テレビ番組のキャラクターデザインおよびコミカライズを担当していることでも知られる作家さんですね。

そんな聖悠紀先生が創造したSFヒーロー、それが超人ロック。
いつから存在するのか?
どこへ向かっているのか?
その全てが謎に包まれた超A級の超能力者であり、生ける伝説。
そんな超人ロックは現在でもコミック誌での連載が続いておりますが、全盛期と言えば、やはり70年代後半から80年代後半にかけての「少年キング」での連載期間を指すと思います。
(同人誌時代の作品からキング掲載分までは全て読みましたが、それ以降はあまり知りません)
その少年キングでの単行本2巻のエピソード「魔女の世紀」をアニメ化したのが本作であり、超人ロック唯一の劇場用作品となります(OVAなら他作品もあり)。
ちなみに、少年キング時代の超人ロックは、10回前後の連載で1エピソード、それを単行本1冊にまとめて出版する形態をとっていました。


エスパーによる千年王国を建国しようと秘密裏にエスパーを集めて洗脳している者がいた。
その者はレディ・カーン。
カーン財団を率いる女傑として、銀河系で知らぬ者がいない存在であった。
レディ・カーンの不穏な行動をキャッチした連邦軍情報部のヤマキは、人を避けて暮らしていたロックを訪ねる。
レディ・カーンの陰謀を探る手伝いを頼むためであったが、心は開いてくれたものの協力は断られてしまう。
しかし、かつてレディ・カーンに千年王国へ誘われていたこともあり、その真意を知るためにもロックはヤマキに手を貸すことにした。
一方、ロックを最大の障害と考えるレディ・カーンは、どんなエスパーの超能力、そして精神さえも分解して破壊してしまう強力な特殊能力をもつ抗エスパーを育て上げていた。
その少女エスパーの名はジェシカ。
ジェシカがロックと出会った時、超人といえどもロックの死は免れない。
はたして、ロックとヤマキはレディ・カーンの恐るべき陰謀を阻止できるのであろうか?
そして、薄幸の少女ジェシカの運命は・・・?


ほぼほぼ原作に忠実なアニメ化で、サービスなのか、この後のエピソードで初登場するヘルダイバー(特殊装甲兵)が少しだけ出てきます。
基本的に、かなりそのまま再現しており、コミックでの構図やセリフも改変が少ないと思います。
微かな記憶頼りなのですが(汗)

宇宙船にCGも使っていたりしますが、なんと言っても84年製作なので「ゴルゴ13」のヘリコプター同様、いかにもなCGで、そこだけかなり浮いてますね。
ウリとなる超能力の表現もまだまだ昔のロボットアニメのごとくで、ピュイイーンみたいなSEが古臭かったりするのですが、まぁ仕方ないでしょう・・・。

声優さん関係は、すごくイメージに合っていて良いです。
ロック役の難波圭一、ヤマキ役の安原義人、ジェシカ役の潘恵子、コーネリア役の藤田淑子・・・皆さん、さすがに良い仕事をしておりますね!

どうしても今となっては古いし、特に超人ロックのファンでない方には辛い作品かもしれませんが、まだ話が単純で理解しやすかった時代のエピソードということもあり、普通にSFヒーローものとして良作ではないかと思います。
個人的に、懐かしさも手伝って非常に楽しめました。
原作は読んでいてもアニメ版は未鑑賞だったのですが、ブルーレイ化されたのを良い機会だと初鑑賞。「魔女の世紀」は人気があるエピソードですが、もっと面白いエピソードもたくさんあるので、そちらもアニメ化して欲しいですね。
特に「新世界戦隊」から連なる惑星ラフノールでのエピソードや、連邦衰退からの帝国の台頭、そしてその終焉あたりは「スターウォーズ」も顔負けな、かなり重厚な内容ですし、宇宙を股にかけた活劇としても面白いので是非アニメーションで観てみたいものです。


セル・ブルーレイにて